記念すべき第1回目のテーマは新素材「ASA」をご案内致します。

Dプリンターユーザーとしてよく使う材料の双璧に「ABS」と「PLA」があります。スタンダードな材料として黎明期から使われ続けた材料なのですが、大きな弱点がありました。それは両方共「耐候性が弱い」、特に「紫外線(UV)に弱い」という点です。

 

ABS」「PLA」共に紫外線(UV)が長期間当たると、変色、表面の荒れ、機械性的性質の劣化が発生します。

弊社でもABSの造形物を、日の当たる窓際に展示して置いたところ、日が当たっていた半分だけ黄変していたことがあります。


黄変例


屋外で使用する場合、更に「耐水性」「耐熱性」等も問われてきます。(これをまとめて耐候性言います)

 

そこで開発された樹脂が「ASA」になります。このASAはABS(アクリロニトル・ブタジエン・スチレン)から「B(ブタジエン)」を除き、「A(アクリレート)」を用いた樹脂で、基本特性はほぼABS樹脂と似ているのですが、「B(ブタジエン)」を抜いた為、耐候性(耐UV・耐水・耐熱)が大幅に向上しています。


ではなぜ「
B(ブタジエン)」を抜くと耐候性が良くなるのでしょうか?実は、ブタジエンの正式名称は「ブタジエンゴム」なのです。ゴムは一般的に紫外線
(UV)に弱い材料の一つなのです。

 

弊社でもL-DEVOで使用可能なフィラメント「PolyLite ASA」をご案内予定ですが、このフィラメントは3Dプリンターで使いやすく調整しております。
耐UV性の他にも...

 ①通常のASAより靭性がより強い (強度に優れる)

 ②水・湿度などによる変性を抑えている (耐水性)

 ③吐出の際の流動性がよく、出力しやすい。そのため綺麗な表面品質を得る 
(ノズル詰まりしにくい)

 ④層間接着性に優れ、造形物のZ軸の強度はより強い 


また、ビカット軟化温度は
105℃で「ABSよりも耐熱に優れている」点もポイントになります。


弊社 L-DEVO F300TPでも造形してみました。

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表面はマットな感じで、サポート部分は樹脂というより石膏をイメージさせる感じの風合いです。触ってみると靭性もある感じで強度的にも問題なさそうです。
現在屋外にて耐候性のテストも行っております。(結果は後日発表します)


余談ですが、中国ではこの材料を使用して公園の「橋」そのものを大型3Dプリンターで造形して使用しています!これも耐候性の良い「ASA」のなせる業でしょうか?

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いかがでしたでしょうか?FDM式の3Dプリンターでは「ASA」のような新しい材料が増え続けています。今後もこのコラムでご案内させていただきますのでご期待ください。

 

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。